【ビジネスのつぼ】ダンロップスポーツ「スイングラボ」 (3/3ページ)

2014.12.22 05:00

スイングラボの開発に携わったダンロップスポーツの山本陽介さん(左)とセイコーエプソンの小平健也さん

スイングラボの開発に携わったダンロップスポーツの山本陽介さん(左)とセイコーエプソンの小平健也さん【拡大】

  • ラケットのグリップエンドに装着されたセンサー。小型化により違和感なく握ることができる
  • スイングラボでは、インパクト時のラケット速度とボールへの入射方向を計測する

 ◆計測結果をグラフ表示

 一方、ダンロップ側が苦しんだのは「プレーヤーに、解析したデータをどうやって分かりやすく説明するか」(山本氏)だった。スイングの特長を示すのに適しているデータは何なのか、技術者目線ではなく、一般テニスプレーヤーでもイメージしやすいデータの表現方法が求められていた。

 山本氏ら開発チームがたどり着いた結論は、インパクト時のラケット速度とボールへの入射方向を2次元グラフに表示することだ。プレーヤー自身が現在使用しているラケットと数本の試打用ラケットを打ち比べた後、計測結果をグラフで示すことで、それぞれのラケットを使用したときのスイング速度や振りのばらつきといった特長が一目で分かるようにした。

 ダンロップは今後、スイングラボで集められたデータを商品開発に生かしていく。近い将来、「スイング速度は秒速○メートル」「ラケットの振り上げ角度○度」など、さまざまなスイングに合った商品をテニスファンに届けられそうだ。山本氏は「『自分のヘッドスピードにあったシャフトを選ぶ』というゴルフクラブのような選び方はテニスにはなかった。こんな選び方が普及してくれたら」と期待している。(鈴木正行)

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