管路内部の更生工法を再現【拡大】
■VC提案“実せる”展示施設
千葉積水工業は、上下水道管や給水管といったインフラ関連商品の展示とデモンストレーションを行える施設「東日本バリューチェーン(VC)デモセンター」を新設した。東日本の自治体やゼネコン(総合建設会社)、デベロッパー、マンション管理組合などを対象に製品・設備を紹介。技術の高さを直接アピールすることによって、実需につなげていく。
同社は積水化学工業のグループ会社で、塩化ビニール管などを生産している。こうした中、工場内に新たな拠点を設けた理由は、積水化学の事業戦略と密接にかかわってくる。
社会インフラ関連事業を取り扱う「環境・ライフラインカンパニー」が現在力を入れているのは、バリューチェーンビジネス(VC)。製品の製造販売だけでなく調査・診断、設計、施工、維持管理といったエンジニアリング機能も合わせて提供する事業モデルを指す。
事業を強化するに当たっては、商品群の性能と高度な施工体制を実際の目で確認してもらうことが先決。こうした考えに基づいてセンターを新設した。積水化学のVC戦略を支える“縁の下の力持ち”的な存在だ。
新生・千葉積水工業のコンセプトは、VC提案を“実せる”工場。「実物に近いものを、実施工などを通じて体感してもらう」(千葉積水工業の松下嘉暢社長)といった考えに基づいている。また、社員のトレーニングの場としても活用する。
例えば地中に埋められた排水管路。故意にひびを入れたり肉厚が薄い部分を作ったりすることで、顧客に診断技術を確認してもらうのが目的だ。