自動運転で農作業を行う「ロボットトラクター」=札幌市【拡大】
コスト低減可能に
実際に農家が導入する際のネックとなるのが農機のコストだ。野口教授らは、既存の農機にGPS受信機とコントローラーを組み込むことで低コスト化を図った。現在は1台につき約300万円で農機をロボット化できるという。
「農家は繁忙期に農機を扱う作業員を臨時で雇っている。300万円という費用は年間の人件費とほぼ同額だ。複数年分の人件費を考えれば、コスト低減になる」と野口教授は話す。
現時点では、作業を無人で行う際の安全性確保に必要な法整備がされておらず、実用化の妨げになっている。野口教授は「2、3年後をめどに無人と有人の農機が協調するシステムを商品化するのが目標だ」という。将来的には、管制室で複数のロボットを遠隔操作・監視する“完全無人化”を目指す。