【未年に翔ける】日立製作所社長・東原敏昭さん(59) (1/2ページ)

2015.1.3 05:00

 ■インフラ技術とIT組み合わせ躍進

 --足元の事業環境をどうみるか

 「2015年中期経営計画をいかに達成するかを重視して進めてきた。グローバル事業の拡大や、顧客の立場に立ったビジネスの強化に力を入れてきた。業績はV字回復して13年度に最高益となったが、今後も継続して利益で2桁成長を目指すとなると、従業員一人一人が成長戦略を考えていくような体質になっていかないとならない」

 --今後、期待が高まる情報通信システム事業はどう拡大していくか

 「単にIT(情報技術)事業者というよりも、エネルギー分野や水事業などを含め、顧客と一緒になった『共創』の考え方でビジネスを拡大できるとみている。長年培ってきたインフラ技術と高度なITを組み合わせた社会イノベーション事業に、より注力する。足元の情報通信システム関連事業の売り上げは2兆円規模だが、今後、サービス事業が広がることも視野に、2兆5000億円、3兆円規模へと伸ばしていきたい」

 --ここにきて、重電メーカーの業界再編が加速しているが、今後のM&A(企業の合併・買収)戦略は

 「グローバル視点で見た場合には、コンサルタントや営業を最前線で行う部門の強化が重要だ。エンジニアのグローバル配置をどうするのがいいのか、どうしたら事業が拡大していくかを中心に考えている。加えて、送電事業で合弁設立を決めたスイスの重電大手ABBの案件のように、鍵となる製品を持つ企業との提携などが必要になる。地域、地域で顧客の価値を満たすためにどうしたらよいかを考えることが重要だ。M&Aに関しては、一気に米ゼネラル・エレクトロニクス(GE)レベルの巨額買収を行うのは無理だとしても、きちんと資金を確保できる体質にしたい」

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