--食料資源への投資を活発化させているが、どのような現状なのか
「農業はブラジルの集荷事業から物流、消費国での販売までつなぐバリューチェーンができてきた。インドネシアでは、小麦の輸入から製粉▽山崎製パンとの製造▽現地のアルファーグループと組んだ小売りまでの一貫生産・販売が整った。ノルウェー政府からサケ養殖大手セルマックを買収し、安定供給に貢献する。天然資源の捕獲が難しくなっている中で食料資源と考えた。ノルウェーとチリ、カナダに養殖拠点を持つだけに病気発生のリスク回避や調達先の多様化の意味合いも大きい」
--第3次安倍政権に注文は
「長期政権になるので産業界と本音でやりあっていきたい。例えば元気な高齢者に働いてもらう環境整備は企業側にも受け皿の用意がある。企業で吸収できる分の社会保障費は多少削るなど、地道で現実的な対応が必要だ。国内事業では、楽天と組み仙台空港の民営化に応札した。三菱商事復興支援財団も活用して、東北の雇用創出や地方創生に協力したい」(上原すみ子)
【プロフィル】小林健
こばやし・けん 東大法卒、1971年三菱商事入社。2003年執行役員、プラントプロジェクト本部長、常務新産業金融事業グループCEO(最高経営責任者)などを経て、10年6月から現職。東京都出身。