気付かされたのは磯部会長の経営環境変化への対応力だ。東京大学の先生との産学連携による介護に関わる人の身体補助のための新製品開発など、従前同様活発に行い、水泳が不得手な人向けの「クロールで25」など新商品を企画開発販売している。目新しさと少数の人に光を当てる商品づくりでテレビ取材も大変多いという。
海外展開も新たな動きがあり従来の中国以外にカンボジアへ進出していた。理由を尋ねると「現地を訪問したとき子供たちの目がキラキラしていたから」と語った。海外に工場を作り、日本の要求品質に合う製品を作る条件を事前に十分調査した上でとは察するが、最終判断が磯部氏の直感による「子供のキラキラした目」とは、いかにもユニークである。
最も印象的だったのは磯部氏の「経営のやり方は10年前と全く変わりません。後継者にも恵まれ、会長になることができました」という言葉だ。経営の特徴は(1)徹底して顧客の声を聞く商品企画力(2)人が育つ仕組みづくり-の2つだ。磯部氏は2つのことを愚直に続け、全員参画型経営で事業を成功に導いているのである。
先行き不透明な時代にあって多くの企業経営者の参考になるのではないだろうか。
◇
【会社概要】アタックスグループ
顧客企業1700社、スタッフ170人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡でサービスを展開している。