五十嵐一也執行役員営業部長は「当社はもともと食品メーカー。『非常食=まずい』では駄目。災害の時だからこそ『食べることができない』とあきらめてほしくない」と意気込む。
11年の東日本大震災では非常食の栄養バランスが取りざたされ、12年には野菜を多く取れる中華丼も商品化した。
アレルギーに着目したのは、「アルファ米」を手掛ける尾西食品(東京)だ。炊いた米を乾燥させたもので、熱湯を注げば約15分、水だと約1時間で食べられる。
阪神大震災の時は乾パンが非常食の主流だったが、それ以降はアルファ米が注目されシェアを広げてきた。同社でもさまざまな味の商品を発売し、現在は白飯、赤飯、ドライカレー、チキンライスなど12種類を展開。このうち赤飯や、わかめご飯など6種は、えびやそばなどアレルギー物質27品目を含まない。
市川伸介取締役営業企画部長は「東日本大震災以降、非常食に対する注目はさらに高まり、多くの自治体からアレルギーに関する事故があっては困ると要望があった」と振り返る。今年は米粉を使用した商品も発売予定だ。