文章を書くことの楽しさを伝える笹田紀子さん【拡大】
祖母の死を通して、在宅ホスピスを取り上げた中学生をレッスンした。まだ、在宅ホスピスが浸透していない時代。1年がかりで資料を調べ、参考文献を読み、闘病中の詳細な記録、思い出となるエピソードも絡めた。原稿用紙30枚近い大作は文部科学大臣賞受賞。この経験はその後の彼女の芯となり、弱者を助ける法曹の道へつながった。指導者のみが突っ走るのでなく、生徒の能力・やる気を引き出すことを大切にしている。
文章を書くということは、考えを整理し、感情を主観から客観へとつなげていくことだ。読み手を意識して書くこと、分かってもらうためにはどう伝えたらよいかを考えることは、単に国語力だけでなく人間力の向上にもなる。文章力アップだけでなく、人間としての力を磨くということを目標にしている。昨年指導した作品は、読売新聞社主催作文コンクールにて読売新聞社賞を受賞した。
「人間に与えられた素晴らしい贈り物、それは共感する力を持っていること」とは女優、メリル・ストリープの言葉。笹田氏の「共感脳」は、作文を媒介に人間関係の機微を理解する補助線として輝く。
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【プロフィル】柴田明彦
しばた・あきひこ 1959年、東京生まれ。亥年、乙女座、AB型。慶大法卒。83年電通入社、新聞局業務推進部長などを歴任し、2006年退社。一般社団法人「NS人財創造機構」を設立し、大学講義や講演会、研修を行う。14年に設立した「多様性工房」で、広報・宣伝や販売コンサルティングも手がける。著書は「ビジネスで活かす電通鬼十則」(朝日新書)ほか。