石油連盟の木村康会長(JX日鉱日石エネルギー会長)は22日の会見で、原油価格の急落の要因となっている米国シェールオイルの増産が「減少に転ずるのは今年後半までかかる」とし、「原油価格は今年の中盤から上昇へ向かう」との見通しを示した。
原油について、ドバイ原油価格で1バレル=55ドルを出発点に、平成28年度にかけて70ドル程度に緩やかに上昇していくとする日銀の黒田東彦総裁の想定については「きわめて普通の見方だ」と評価。原油安が石油元売り業界にもたらす在庫評価損の影響を「大変厳しい」と懸念する一方、「景気の刺激となり、購買意欲が高まる。景気の好循環の波を期待している」と述べた。
今後の元売り業界の再編については、出光興産による昭和シェル石油買収の動きを念頭に「各社がいろんな可能性を排除せずに検討していくだろう」と分析。
イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」による日本人2人の殺害脅迫は「人命に関わる重大な問題だ」としながらも、原油の需給に影響を与える地政学リスクとは「質が異なる」と指摘。「問題の広がり具合が見通せない。市場も同様の見方だから、直接的な影響は出ていない」との見解を示した。