仕事が好きな理由は「創造性」と語る武井一仁さん【拡大】
今回の主人公はル・クール ハート代表取締役の武井一仁氏。世界の三國清三氏オーナーシェフ「オテル・ドゥ・ミクニ」のもと22歳の若さで製菓長を務め、パリの五つ星ホテル「ホテル・リッツ」で修業。帰国後、「ミクニ・フェア」で国内外を飛び回った。タイのオリエンタルホテルで、国王や国賓にデザートを供したこともある。その後、フランス菓子の第一人者・河田勝彦シェフの「オーボンヴュータン」で修業し、2000年、栃木県足利市福居町に「パテスリー ル・クール」をオープン。現在は足利市大月町に「レストラン ル・クール」「ル・クール ペイザンヌ」ほか、直営5店舗を手掛ける。
自らを「包括的食育活動家」と称する活動は多岐にわたる。本業の加工職(パティシエ)のスキルを生かした福祉授産施設の「加工食品開発監修業務」もその一つ。初期においては加工品の商品開発業務のみに携わっていたが、「“言われるだけの商品開発”では商品ができてもただそれだけで、何の発展性もない」ことに気付く。それと同時に自分の仕事に対する責任感のなさを痛感。それ以来、枠組みを広げ、福祉授産施設や消費者にとっての本物の加工品を提案。優良な素材の生産者の斡旋(あっせん)、加工技術指導、パッケージング、値決め、販売先の開拓へと広がる。