東京電力の広瀬直己社長【拡大】
東京電力の広瀬直己社長は15日までに、フジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、2016年の電力小売り全面自由化を見据えて検討している提携先について「地域独占企業同士よりも、全国展開の企業が有利だ」と述べ、電力小売りに新たに参入する異業種との提携を優先する考えを明らかにした。具体的には通信会社やハウスメーカーなどを想定しているとみられ、通信などとのセット販売を検討し収益の拡大を目指す。
電力やガス会社は地域独占だったため、他地域での販売網の構築には時間がかかると判断。「関東以外ではブランド力が弱い」とし、一般消費者を顧客とする異業種との提携を武器に電力の越境販売を強化する。
また、火力発電事業で中部電力と包括提携したことを受け、「(共同調達で)液化天然ガス(LNG)の調達費を(単価で)2割下げる」と改めて強調。火力発電のコストを抑えて料金の引き下げにつなげると同時に、安価なガスを活用して地方のガス会社への卸販売を拡大する方針だ。
17年がめどとされるガス小売りの全面自由化を控えた販売強化策の一環として、保安業務などで地方のガス会社との提携を検討する意向も明らかにした。
一方、柏崎刈羽原発(新潟県)について、広瀬社長は「安全対策に引き続き取り組んでいく」と強調。再稼働が遅れれば再値上げも現実味を帯びるが「1基が再稼働すれば1カ月で150億円程度の収益改善効果が見込める」と語り、早期の運転再開に強い意欲を示した。(大柳聡庸 宇野貴文)