空調システムにも新機軸を導入。センサーで室内外の温度・湿度を測り、屋外が快適な気温なら、窓の近くで働く従業員のスマホに自動で通知。窓を開けるとシステムが検知し、エアコンが自動で停止する仕組みになっている。
オフィスの一角では、照明やディスプレーなどの機器に380ボルトと高電圧の直流給電を利用している。交流と直流の変換時に生じる電力ロスの削減が狙いだ。
さらにビル内には3~10メートルに一つの割合で位置ビーコンを設置、社員の動きをリアルタイムでモニタリング。集まるデータをビッグデータ解析し、今後の省エネ技術に役立つ知見を得たいという。こうした新技術に結びつく一人一人の発想を融合させるため同センターの研究フロアには仕切りが設けられていない。
「寿命の長い建物は時代ごとに使われ方が変化していく。その時々に応じた新しいビル管理サービスを開発、提供していきたい」と渡辺剛主任研究員は話す。NTTグループの新ビジネスを開拓する戦略拠点として、同センターが担う役割は大きい。(山沢義徳)