旭化成は23日、車載用などの電池部材事業を展開する米ポリポアを買収すると発表した。買収額は22億ドル(約2600億円)。旭化成は成長が見込まれる電池部材事業を強化し、収益力の向上を目指す。
ポリポアは、電池の正極と負極を分離する部材「セパレータ」事業を展開。ハイブリッド車などで採用が進むリチウムイオン電池用に加え、普通車にも使われている鉛蓄電池用を販売し、2013年度の同事業の売上高は約4億4000万ドル。
リチウムイオン電池用に別方式のセパレータを展開している旭化成は、車載用に強いポリポアの製品を追加。安定した交換需要のある鉛蓄電池用も含めてラインアップを拡充し、販売拡大を図る。
5月にも開かれるポリポアの株主総会や各国の競争法当局の審査を経て、買収を完了する予定だ。
浅野敏雄社長は同日の記者会見で、「電気自動車や燃料電池車への移行が進む中、鍵となる部材だ。新製品の開発など技術的な相乗効果を狙いたい」と述べた。