それはそれでビジネス上悪くないのかもしれないが、思わず「う~ん」とうなってしまったのである。「これはひょっとして、CADで設計し、完成形を頭に入れて設計したが、どう作るかまでは考えていなかったのでは」と。
プロの設計者であれば、商品の構造成立性と、部品をどのようにして作るかも考慮しながら進めていく。しかし、ビギナーやまだその域に達していない人は、CADの画面上で完成させることに主眼に置き、どう作るかは詳しく分からないことから、部品メーカーに任せようとする。その結果、まさに部品メーカー泣かせの図面が出来上がる。ひどい時は板金図面を展開していったら、一部が重なっていたという笑えない話もある。
設計側と作る側が要求内容を確認し吟味する関係ができていれば、図面として改良されていくが、関係がやや一方的となると、とにかく図面どおり作ればよいとなる。
◆構造成立性よりデザイン性
最近は3Dプリンター普及のおかげで容易にモノが作れる時代になった。しかし、板金、鋳物、複合材料などきちんとした型・工法で作らないとできないモノも多い。そのため、設計を預かる責任者は、前述のように構造の成立性と作りやすさのバランスを考えて、指導していくことが大切であろう。
さらに、筆者の経験から一つだけ追加するとすれば、もしデザイン性と構造成立性が対立するときは、デザイン性を採ることが結果として望ましい。設計側はいろいろとできない理由をつけたがるが、やはり、とってつけたようなゴテゴテしたモノより、洗練されたすっきりしたモノに軍配が上がる。