そもそも経営の自由はあまりなく、収益をあげにくい状況下で頼みの綱だったスカイマークの破綻だ。撤退という逆風が吹き付ければ経営が立ちゆかなくなるのは確実。運営権売却によって危機を乗り切ろうとする思惑があっても不思議ではないのだ。
大きな誤算も
神戸市は「関空、伊丹の両空港の運営権を譲渡された会社に神戸空港の運営権も譲渡することが一番有力で常識的な選択肢」(久元市長)として、一体運用の優位性をアピールする。3空港を一体的に運営することで神戸空港の規制が必要なくなり、経営に自由度が増すと考えているようだ。
新関西国際空港会社が関空、伊丹の運営権売却に向けて入札条件を定めた実施方針にも「関西全体の航空輸送需要の拡大を図る目的から、(運営権取得者が)神戸空港の管理者と交渉を行うことができる」との内容が盛り込まれている。
ただ、そこにも誤算が生じている。関空、伊丹の運営権売却自体が2兆2千億円にのぼる最低落札価格と45年間という長期の運営に企業が及び腰となり、手続きが難航。新関空会社は当初2月を予定していた1次入札の締め切りを約3カ月延期し、企業側と入札条件を協議することになった。