学生らに求める人材像などを語る資生堂の魚谷雅彦社長=8日、東京・有明【拡大】
資生堂の魚谷雅彦社長は8日、2016年春の大学卒業予定者らを対象に都内で開かれた就職の合同企業説明会で、「これからの改革に重要なのは顧客をよく知るマーケティングとイノベーション(技術革新)、そして人材だ」と述べた。
今月解禁になった会社説明会は、経団連の新ルールで例年より3カ月遅く、企業にとっても短期決戦が予想される。同社は社長自らがアピールして優秀な人材獲得につなげる狙いだ。
同社の説明会には500人以上が詰めかけ、立ち見も出た。魚谷社長は約30分間にわたり事業内容や、米人気歌手のレディー・ガガを起用した広告展開などを紹介した。質疑応答で学生から「資生堂に入社前後のイメージの違いは」と尋ねられ、「能力のある人材は多いが、部門間の縦割りが課題だった。組織一丸となって協力している」と社長就任から約1年の成果を語る場面もあった。
同社は16年度に、15年度実績を約30人上回る約90人の採用を予定。魚谷社長が重視するマーケティングや技術系を大幅に増やし、将来の成長を担う人材を育成する方針だ。魚谷社長は説明会後、記者団に対し「(就職活動)解禁後の機会を最大限とらえて、新卒採用に全社的に取り組みたい」と述べた。