【浜松物語 「やらまいか」精神を訪ねて】(2) (1/2ページ)

2015.3.10 05:00

ハスラーの発表会でメディアからの撮影依頼に応じる鈴木修氏(右)=2013年12月、東京都新宿区

ハスラーの発表会でメディアからの撮影依頼に応じる鈴木修氏(右)=2013年12月、東京都新宿区【拡大】

 □鈴木修スズキ会長兼社長(2)

 ■冒険せず「金になる車」造る

 --群雄割拠の浜松で泥仕合にならなかったのか

 「それはありましたよ。ホンダさん、ヤマハさん、スズキオートバイ」

 --「相手をたたきつぶそう」という気持ちはあったのか

 「どうぞ、どうぞ、だよ」

 --互いに切磋琢磨(せっさたくま)するというプラス効果もある

 「切磋琢磨っちゅうのは両方がやる場合に切磋琢磨だけど、一方がやるだけじゃ駄目だよ。それは謀略です」

 --そんなときどう対抗する

 「いや、もう放ってあるんですよ」

 「放っておいたらいいですよ、そんなの。そんなことにエネルギーを使う暇があったら本業をしっかりやったほうがいい。俺は美濃(岐阜県)の出身だけど、(歴史小説『国盗り物語』で知られる)斎藤道三っていう、俺はそんな悪じゃねえ。フェアプレーの精神で行く」

 --ホンダが軽自動車のスポーツカーを出したとき、「軽は貧乏人の乗る車で、スポーツカーなんていらない」と述べた

 「うん、そう。だから、ハスラーが誕生した。うちらのような場合には趣味で、あんまり売れなくても趣味でいいというようなスポーツカーだとか冒険はできないんですね」

 「実は、悔しいけど。ホンダさんとかダイハツさんは1モデルぐらい売れなくてもシンボルとしてスポーツカー造らせてるんですよ。うちらはその力がないから。1モデルでも金になるモデルを造らにゃいかんっていうことになるから、そういうことですよね。だから、うちでもホンダさんがスポーツカー造られたとか、ダイハツさんがスポーツカー造られてうちも造りたいって言ったけど、これは私が認めなかったんです」

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