環境省の採択事業である除染技術実証試験に使われた放射能対応型熱分解装置=福島県浪江町【拡大】
熱分解処理のため、燃焼と違って煙突がいらず、ダイオキシンや二酸化炭素(CO2)も出さない。
高濃度に汚染された廃棄物の減容・減量を可能にすることから、「福島第1原発事故で生じた放射性汚染廃棄物や処理困難廃棄物などを一時的に保管する中間貯蔵施設の規模縮小につながる」(佐藤邦道・EEN社長)。また帰還困難区域に残された処理困難物を安全に処理でき、生活インフラの復興にも役立つと期待される。
国が処理する避難地域での同装置の採用は未定だが、EENは試験結果を受け、民間として対応できる範囲で事業化に乗り出す。漁網や塩化ビニール、防護服の処理について所有者と既に交渉を始めている。回収した鉛は使用前と同等の品質を確認、将来的には中間貯蔵施設の遮蔽体などへの再利用の可能性を探る一方で、企業にも売り込んでいく。