ソーシャルゲーム大手のディー・エヌ・エー(DeNA)との資本・業務提携を17日に発表した任天堂。1983年にファミリーコンピュータを発売して以来、ゲーム機メーカー世界大手として「ニンテンドー3DS」や「Wii U(ウィー・ユー)」向けのソフト提供にこだわってきたが、スマートフォンやタブレット端末の普及によるゲーム市場の拡大を無視できなくなった。
CyberZ(東京)などの調査によると、2013年の国内スマホ向けゲーム市場は前年比78%増の5468億円で、ゲーム市場全体の5割を超えた。ガンホー・オンライン・エンターテイメントのスマホ向けゲームソフト「パズル&ドラゴンズ」のダウンロード数は先月、累計3400万を超えるなど、社会現象にもなっている。
もっとも、任天堂の岩田聡社長が17日の会見で「成功するのはほんのひと握りだ」と強調したように、競争は激しい。
このため、任天堂はDeNAとの協業を選んだ。「サービスとしての運営が重要で、従来のゲームとはノウハウが異なる」(ゲーム会社幹部)。スマホゲームは売って終わりではなく、内容を改善しながら、新しい取り組みで利用者を飽きさせない戦術が求められるからだ。