純国産か共同開発か…日本の「ステルス機」計画 消えない対米不信感 (3/5ページ)

2015.3.19 06:30

 将来、輸出先の国と交戦する可能性を想定し、性能を落とした上で輸出する「デグレード」を行うのは一般的だが、米国はこれに加え、切り札として世界最強のステルス戦闘機を門外不出にしているというわけだ。

 こうした戦略は米国だけのものではない。中国が開発を進めている「殲20」と「J31」という2機種のステルス戦闘機のうち殲20は人民解放軍向け、J31は輸出向けとみられている。

 輸出検討余地も

 日本も安全保障をめぐる外交戦略の一環として前例がない戦闘機輸出を検討する余地が出てきた。政府が昨年、「武器輸出三原則」に代わる「防衛装備移転三原則」を制定し、防衛装備の輸出が弾力化されたからだ。

 三菱商事などで大規模な国際防衛装備プロジェクトにかかわったグローバルインサイト(東京都千代田区)の長瀬正人社長は「多くの国は関連産業の維持を狙い、最初から海外への拡販をにらんだものを作っている」と説明する。欧米やロシアの軍用機はすでに多くの国に輸出されており、韓国も軍用機の輸出戦略を積極化している。

 輸出は産業基盤維持に加え、納税者の負担を軽減できるという利点もある。ただ開発完了後に輸出しようとしても、うまくいかない。同氏は「日本だけの戦闘機にするのか、新三原則のもとで輸出を考えるのかによって開発コストや数量、作り方が(初めから)がらりと変わってくる」と説明する。輸出には性能や部品に汎用(はんよう)性が求められるためで、設計段階から方針を決めておく必要がある。

 しかし、防衛省は戦闘機の輸出について「国家安全保障会議(NSC)で可否を議論することになる」(左藤章副大臣)としており、現段階では白紙だ。

搭載技術が陳腐化するリスクも…「第6世代」想定は不可欠

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