商社、非資源の柱に農業 「肥料」「飼料」など業界再編を主導 (1/3ページ)

2015.3.21 07:01

トウモロコシを輸入・保管する丸紅グループのパシフィックグレーンセンター。農業の競争力強化に欠かせない飼料や肥料業界では再編が加速している(丸紅提供)

トウモロコシを輸入・保管する丸紅グループのパシフィックグレーンセンター。農業の競争力強化に欠かせない飼料や肥料業界では再編が加速している(丸紅提供)【拡大】

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)や農協改革など農業を取り巻く環境変化をにらみ、肥料や飼料、ハムなど畜産関連業界の再編が風雲急を告げている。肥料では丸紅系と全国農業協同組合連合会(JA全農)系の肥料会社が合併を決めたほか、飼料でも飼料製造販売大手の中部飼料が、伊藤忠商事子会社の伊藤忠飼料と資本・業務提携の協議を始めた。伊藤忠はさらにハムメーカーで独立系の丸大食品への資本参加も表明している。

 競争力強化に寄与

 政府は「農業再生」を成長戦略の柱と位置づけ、農協改革を農地集約や企業参入の促進などと一体的に取り組み、農業の競争力強化を進める方針を打ち出した。これらの業界が経営効率化や技術開発を強化して安価な製品を提供すれば、国産農産物の競争力強化に寄与できるとして期待されている。

 肥料業界では、業界4位のJA系のコープケミカルと5位の丸紅系の片倉チッカリンが、10月1日付で合併し、国内最大の肥料会社となる。政府が掲げる強い農業に肥料は欠かせない存在だ。有機肥料に強い片倉チッカリンと、化成肥料に強いコープケミカルが経営統合することで、技術開発に磨きをかけるとともに、経営基盤を強化するのが狙いだ。

野村豊社長は「日本農業の復活に貢献できる」と強調

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