4月から本格始動する介護の「地域包括ケアシステム」構築をめぐり、介護事業者が対応に苦慮している。各自治体が地域に合った介護の受け皿づくりを独自に構築する地域支援事業がケアシステムの目玉だったが、政府が要介護者向けの介護報酬の大幅な引き下げを決めたことで、事業者の経営を圧迫しかねないためだ。政府は2017年4月までの事業開始を決めており、事業者の中には、サービスの規模縮小やコストカットを模索する動きも出ている。
「なんとか持ちこたえたい」。4月から同事業へ移行する品川区でデイサービスを実施している小規模事業所の経営者は声を絞り出す。
要支援者向けで痛手
経営者の悩みの種は、品川区が設定したデイサービスの価格設定。品川区はデイサービスを要介護者向けのほか、地域支援事業として要支援者向けのデイサービスを設定するが、要支援者向けの価格を大幅に減額すると区内の事業者に知らせてきた。
収入のほとんどをデイサービスに頼る同事業所にとって、50人の利用者のうち25人分の要支援者向けサービスの収入減は大きな痛手。4月から約9%減額となる要介護者向けの介護報酬と合わせ、事業所の全収入の25%が吹き飛ぶ計算だ。