こうした悩みは各事業所に共通する。06年の法改正でデイサービスの介護報酬が高めに設定されたことで、デイサービスを事業の柱に据える事業者は右肩上がりに増えてきたためだ。
厚生労働省によると、事業者数は14年3月には06年比で2倍となり、保険料と国・地方の社会保障費を合わせた費用額は約4倍の約1.5兆円に膨らんだ。
槍玉に挙げられた事業者側からは「通所を狙い打ちにした」(介護業経営者)との恨み節ももれるが、要支援者向けサービスは本来、介護予備軍とされる利用者の生活改善や運動機能の向上のために実施されるのが大原則。
だが、デイサービスが収益源を求める事業者と居場所を求める利用者の双方にとって居心地のいいサービスとなった面も少なくない。
政府が、ケアシステム構築で目指すのは、こうした軽度向けサービスに偏った介護サービスの適正配分だ。要支援者向けの地域支援事業は、報酬が引き下げられた要介護者向けサービスよりも安価にする必要があるため、デイサービスに依存する収益構造になりにくいほか、地域独自の居場所づくりができれば自治体の介護費用削減にもつながる。