「豊作貧乏」宅配業者の悩み 通販ビジネス拡大、取り扱い個数は増えたけれど… (2/4ページ)

2015.4.5 07:02

日本郵便の車両

日本郵便の車両【拡大】

 右肩上がりの扱い個数

 宅配便の取り扱い個数は2013年度で約36億3700万個。このままのペースが続けばあと2~3年中に40億個を突破する見込みだ。リーマン・ショック後の世界同時不況で2008年と09年に2年連続で前年割れしたほかは一貫して右肩上がりの成長を続けている。

 成長の背景には貨物の小口化・多頻度化がある。個人の荷物に加え、パソコンなど工業製品の小型化で企業から請け負う小型貨物が急増した。必要なときにこまめに発注して在庫保管コストを減らす「ジャスト・イン・タイム方式」の普及で配送回数も増えた。

 宅配業者による需要開拓も見逃せない。スキーやゴルフ場、空港への荷物直送サービスは目的地まで身軽に動けるとユーザーに歓迎され、商品の代金と引き替えに荷物を渡す「代引き」は代金回収に苦慮する通販業者に喜ばれた。冷蔵(0~5度)、冷凍(マイナス18度)など温度管理を徹底したクール宅配便は、中元・歳暮など生鮮食料品の贈答や産地直送便の急増につながった。配達時間を指定する期日・時間帯配送はいまやあたりまえになっている。

宅配便がなければ、通販ビジネスも成り立たないだろう

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