「鹿島酒蔵ツーリズム」の観光客でにぎわう鹿島市内【拡大】
□平出淑恵(酒サムライコーディネーター)
佐賀県の中ほどにある人口3万人の鹿島市で、全国の自治体から注目を集める「鹿島酒蔵ツーリズム」が、3月28、29の両日開催された。「酒蔵ツーリズム」を先駆けて実施したことで知名度が全国区になり、隣接する嬉野市との合同開催の効果もあって過去最高の7万人の人出となった。
同イベントは2011年、市内にある富久千代酒造が「鍋島 大吟醸」で、世界最大規模のワイン審査会、インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)の世界一の称号「チャンピオン・サケ」に輝いたことがきっかけだ。
好機到来とばかりに市内の蔵元や市民、観光協会、行政が協力して、翌12年の蔵開きの祭りを市内回遊の「酒蔵ツーリズム」というイベントに仕立て上げ、多くの観光客を集めて大成功を収めた。
この結果は観光庁に発足した「酒蔵ツーリズム推進協議会」でも成功事例として広く全国に紹介されたことから、地方自治体や中央官庁の視察が、毎月のようにあるという。