一方で、のめり込み対策としては実は疑問符が付く。そもそもギャンブル性が抑制されればのめり込み対策になるという専門的な知見を私は知らない。むしろ逆で、ニューヨーク州などで人気のペニースロット(1セント単位のスロットマシン)がギャンブル依存症を誘発しているという分析もあるくらいだ。
ただ、警察庁はのめり込み対策として日工組には強くギャンブル性抑制を要請していた。ぱちんこを規制する風営法は「著しく客の射幸心をそそるおそれ」を禁止しており、この程度を「射幸性」と呼ぶ。射幸性にはギャンブル性が含まれているので、風営法の趣旨としては今回の自主規制は正解である。
なお、日工組はこの後もギャンブル性の自主規制第2弾を検討している。
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【プロフィル】POKKA吉田
ぽっか・よしだ 本名・岡崎徹。1971年大阪生まれ。東京在住。神戸大学経済学部中退。ぱちんこ業界専門のジャーナリスト。「パチンコオカルト信者につけるクスリ」(扶桑社新書)など著書、連載など執筆業およびテレビ出演、講演など多数。