開業を迎え、大勢の利用客らでにぎわうLCC専用の第3旅客ターミナルビル=8日、成田空港【拡大】
成田空港で8日、格安航空会社(LCC)専用となる「第3旅客ターミナルビル」が開業した。成田で新しいターミナルビルの稼働は1992年12月の第2旅客ターミナルビル以来、22年4カ月ぶり。同じ首都圏にあり東京都心から近い羽田空港で国際化が進み、アジアの主要空港との競争も厳しさを増す。存在感低下が懸念される中、成田は「LCC誘致」を一つの活路とする考えだ。
午前3時半に開業すると集まった利用客約100人から拍手が起きた。初便は午前6時15分ごろ、札幌に向け飛び立った。
延べ床面積は約6万6000平方メートル。天井は配管類がむき出しで、利用客が機内に乗り込むための搭乗橋を省いて低廉なエプロンルーフで代替するなど建設コストを極力抑えた。建設費は約150億円で、既存のターミナルビルに比べ1平方メートル当たりで4割削減した。
簡素なつくりにしたことで、入居する航空各社が負担する施設使用料は既存のターミナルビルの半額程度に抑制。利用客が支払う施設使用料も国内線出発(大人)で約14%安くした。