≪インタビュー≫
□宮岡督修社長
■従業員守ることは会社を守ること
--先代社長とはケンカばかりだったとか
「自分の意見を言い続けたから。古い体質に『今のままでは倒産する』という危機感があった。さまざまな提案をしても受け入れてもらえない。発言力を上げるなら実績をあげなくてはと努力した」
--意見対立で、減給、降格処分にもなった
「36歳のとき、中途採用の社員を慰安旅行に連れて行かないという役員決定に、社員は非難ごうごう。『先に入社した社員と差をつけるのはおかしい』と反対したところ、『逆らう気か!』と激怒されて。その後2年間、あいさつすら無視され続けた(笑)。現在は前年度決算報告と当年度の方針発表を兼ね、全社員に業務として慰安旅行に参加してもらっている」
--大事にしていることは
「従業員を大切にすること。義父の口癖が『汝(なんじ)、店を守れ。店は汝を守らん』だった。私は『汝、従業員を守れ。従業員は会社を守らん』。従業員を守ることが、会社を守ることにもつながる。もう一つは正直なこと、嘘をつかないこと。大きな企業ほどコンプライアンス(法令順守)を重要視している」
--今後の事業展開は
「2012年に化粧品の販売許可を取った。うちは『カーコスメティックコーポレーション』だが、車だけでなく人も美しくしていきたい。使っている材料は化粧品と変わらないし、技術も女性用フェースクリームに転用が可能。後はマーケティングとブランド戦略次第だ」
「もう一つは、直営の洗車専門店の立ち上げ。今後、運転支援システム『アイサイト』などの導入で衝突事故がなくなり、板金店の仕事も減っていくと思う。うちは新車にコーティングはできても、板金技術がなく中古車には難しい。板金職人に来てもらい、車を磨き上げる専門店を展開できたら、そこで製品を売ることもできると考えている」