この再編は固定電話の競争を前提にした再編だった。しかし、その後インターネットという新たな通信インフラが世界を席巻。業界をまたぎ地域や距離に関係なく大量のデータが飛び交い、米グーグルやアマゾン・ドットコムなど地球規模のネットビジネスが既存市場を塗り替えた。
固定電話網を軸とした競争政策や、それに基づくNTTのグループ体制は、もはや「時代に合っていない」ことは明らかだ。
電電公社時代からの固定電話回線独占を背景に、東西地域会社はインターネットや携帯電話事業への進出が厳しく規制された。グループ各社との排他的取引も禁じられている。光サービス卸はその足かせを取り除く意味で、「11年以来で最大の機能再編」(NTT幹部)といえる。
NTT再編へのアレルギー反応がある中、鵜浦は「いまの体制でやれることをやる」と繰り返してきたが、それを実践した格好だ。