■「小型無人飛行機」開発、原発撮影で一躍注目
横浜市で1979年に創業し、高性能な小型無人飛行機の開発や製造などで注目を集める「フジ・インバック」。小型無人飛行機は近年、防災や警備のほか、火山上空のように有人機の飛行が難しい条件下での飛行などで活躍。創業者である田辺誠治代表取締役(67)は「中小企業は対応に小回りがきくため、試験時にリスクが伴う小型無人飛行機の開発には適している」と強調する。
◆中小の機動性生かし
フジ・インバックの小型無人飛行機が世間の注目を集めたのは、2011年3月に東日本大震災の影響で発生した東京電力福島第1原発事故の直後。爆発した原子炉建屋上空を飛行し、2時間ほどの間に鮮明な写真を何枚も撮影して、その後の事故対応に役立てられた。
小型無人飛行機の運用会社を通じて政府から依頼があったのは、3月12日の爆発から5~6日後。すぐに応じて20日には最初の飛行を成功させた。このころ、政府は他社の小型無人飛行機にも飛行を依頼していたが、いずれもトラブルが発生しうまくいかなかったという。
同社は、人工的に放射線を作り出す電子ビーム装置や、高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)、大型放射光施設「スプリング8」(兵庫県佐用町)などの大型加速器の部品も供給。その経験から強い放射線などを予想し、原発上空の飛行前に機体コンピューターを鉛で覆い、エンジンにフィルターを取り付けるなどの対策を施していた。
同じ無人機でも、無線で操縦するラジコン飛行機は、目で見える範囲内でしか飛行できない。一方、小型無人飛行機は事前に飛行ルートを入力。ルート上の座標ごとに通過時の高度や速度などを設定しておけば、GPS(衛星利用測位システム)を用いた自律飛行が可能だ。