【Bizクリニック】サイト買収後の運営に落とし穴 (2/3ページ)

2015.5.5 05:00

 しかし、ネットやシステムに詳しいことと、ネットショップという「店舗」を運営することは全くの別物だ。店舗の運営は商品選定と仕入れ、価格調整、在庫管理、顧客開拓と維持、広告・キャンペーン企画、さらには代金回収やクレーム対応まで、数々の業務をこなさなくてはならない。

 A社の新たなネットショップの店長は、スタッフの転籍を受けられない代わりに、前オーナー会社から十分に計画された引き継ぎを受けていた。しかし、引き継ぎ終了とともに慣れない運営に戸惑い続け、1人で業務を抱えた結果、売り上げは下がり続けてしまったのである。

 ネットショップの買収で売り上げを伸ばしていくには、経験者が社内にすでに在籍しているか、専属の店長を採用することが望ましい。また、最近ではネットショップを丸ごと運営代行する会社があり、アウトソーシングも一つの手だ。

 サイト売買仲介会社は成果報酬制のため、案件が成約しなければ手数料を受け取ることができない。しかし、買い手が甘い考えで買収を考えている場合や、失敗パターンに陥ってしまうことが見通せる場合は、買収を断念するように助言すべきである。

 また、買い手が初めてウェブサイト買収に臨む際に仲介会社は、ビジネスモデルをともに分析し、買収メリットや優位点を並べるだけでなく、事業に潜むリスクを事前に説明することが存在意義となる。

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