ウェブサイトを立ち上げてから3カ月~半年しかたっていない売却案件もある。このような案件は「検索エンジンで上位表示されているから価値がある」という点を強調することが多い。確かに、一般的なウェブサイトのアクセス数のうち、7割近くは検索エンジン経由だが、最近の検索エンジンのアルゴリズムの進化により、安定して上位表示されるという保証はない。
このようなウェブサイトの場合は、いつから上位表示されているのか、どんな点が検索エンジンに評価されていると考えられるのか、競合サイトに比べてどこに優位性があるかを聞いてみよう。現在の検索エンジンは独自コンテンツ量を重視している傾向がある。
住宅の内装工事や建材を取り扱う高岡建材(京都府与謝野町)は昨年、ネットを活用して事業を拡大するため、全国の注文住宅デザイン情報サイトを買収した。同社の高岡洋輔社長は「本業との関連性があるだけでなく、収益モデルが明確で、将来の成長性を秘めたウェブサイトだった。検索エンジンから集客しやすいコンテンツ管理システムの設計ができているのも魅力だった」という。
買い手企業により、評価基準や重視する点はさまざまだ。とはいえ、ウェブサイトオーナーの売り込み情報だけをうのみにするのではなく、前述の4つの確認すべきポイントを一つ一つヒアリングし、納得したうえで買収を判断することが何より大切だ。
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