サントリー食品インターナショナルは25日、日本たばこ産業(JT)の飲料の自動販売機事業を7月に買収すると発表した。缶コーヒー「ルーツ」と清涼飲料「桃の天然水」のブランドも引き継ぐ。取得総額は約1500億円。買収でサントリー食品の自販機台数は75万台となる。台数で3倍近い差をつけられるアサヒ飲料やキリンビバレッジが巻き返しに向け、新たな再編に乗り出す可能性もある。
サントリー食品はJTが70.5%を出資する「ジャパンビバレッジホールディングス」など飲料自販機事業を手掛ける子会社株を取得する。ジャパンビバレッジはオフィス内など好立地に約26万台の自販機を保有しており、買収で事業拡大につなげられると判断した。
サントリー食品の鳥井信宏社長は同日の記者会見で「これで総合的な飲料サービスの提供態勢が整う」と強調。2020年には、飲料販売国内首位の日本コカ・コーラを上回り「ナンバーワンになれる」と強気の見方を示した。
一方のJTは9月末で飲料の製造販売事業から撤退することを決めており、自販機事業も売却して、飲料事業から完全撤退する。大久保憲朗副社長は売却先としてサントリー食品を選んだ理由について「さらなる成長が目指せる」と述べた。