さらに、ウェブサイトという価値を認められた資産が流動化していくだろう。実は、人材のヘッドハンティングや不動産の物件発掘のように、ウェブサイトの売買を促す働きかけが水面下で行われている。
ウェブサイトを、企業が所有する固有の資産と考えず、外部環境の変化や企業の経営判断に応じてオーナーがチェンジするととらえる流動化が進んでいる。実際に売買が行われる際には、ウェブサイトの価値について公正な査定が必要になる。このウェブサイト特有の査定方法が出来上がりつつあることが後押しとなり、ウェブサイトの流動化が加速している。
ウェブサイトは、事業ノウハウと知的財産の塊で、企業の価値ある無形固定資産である。ウェブサイトを閉鎖すればこの資産はなくなってしまうが、売買により譲渡されれば事業ノウハウが承継され、労力や時間の無駄をなくすことができる。
ウェブサイトの売買によって、日本の企業の競争力を活性化させ、日本の経済成長の一助となれば幸いである。(この項おわり。次回からフロンティア・マネジメントが企業再生を軸に連載します)
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【プロフィル】和家智也
わけ・ともや 筑波大基礎工卒。2001年SBSホールディングス入社。06年ゼスタスを設立し、代表取締役。同年サイト売買マッチングサイト「サイトレード」の運営を開始。14年日本サイトM&A協会を設立し、代表理事。36歳。愛媛県出身。