ただ、関空に死角がないわけではない。成田にとどまらず、地方空港もLCCの誘致に躍起となっており、LCCは引く手あまたの状況。このまま上昇気流に乗り続けられるかは予断を許さない。
真っ先に関空を拠点化したLCCのピーチ・アビエーションは26年度、関空からの新規路線を設定しなかった。ピーチは那覇、成田、仙台空港を拠点化してネットワークを拡充する計画で、関空発着以外の路線に力を注いでいることが背景にある。
LCCをエンジンに成長を遂げてきた関空だが、大きなジレンマも抱える。
LCCとの競争激化によるフルサービスキャリアの相次ぐ運休が、安定収益確保に向けて進めるビジネス客の囲い込みに水を差してきているのだ。このため新関空会社は「LCCとフルサービスキャリアの両方の便数を引き上げる」(安藤社長)方針を打ち出す。