安倍晋三首相(右から2人目)らが出席し、行われた経団連の定時総会で、あいさつする榊原定征会長(左)=2日、東京都千代田区【拡大】
この1年、榊原会長は、急ピッチでの経団連改革に取り組んできた。特に安倍政権との連携強化を優先。米倉弘昌前会長時代には政権との関係が疎遠だとされたためだ。就任直後に政治献金の再開を決めたほか、首相外遊への同行などで関係を改善。経済界が求め続けてきた法人税実効税率の引き下げが「安倍首相の英断」(榊原会長)で決まったほか、経済財政諮問会議の民間議員に榊原会長が選出されるなど関係が一気に改善した。
2年目以降も政権との連携を維持する方針だ。政権に近すぎるとの一部の批判にも「政治と経済は車の両輪。車軸で一定の距離を保ちながらも、お互いが回ることで(車が)前に進む。相手の言いなりになっているわけではない」と一蹴。「デフレ脱却、経済再生の方向は政府と経団連など経済界は完全に一致する」と強調する。
榊原会長は総会で当面の重要課題として、財政健全化や、原発再稼働などのエネルギー問題、地方経済の活性化などをあげた。デフレ脱却後の持続的な経済成長実現には、少子高齢化による人口問題も中長期での大きな課題となる。経団連としては、政府との連携を加速させることで、こうした課題の克服に貢献する。(平尾孝)