ローソンが農家と連携してコシヒカリなどの栽培を始めた水田=新潟市内(同社提供)【拡大】
小売り大手各社による農産物の自社生産が本格化している。セブン&アイ・ホールディングス(HD)は、農業の国家戦略特区に指定されている新潟市で、今秋にも野菜の生産を始める。コンビニエンスストア大手のローソンやイオンは野菜だけでなく、コメの生産にも参入。各社とも鮮度と安全性の高い農産物を自社生産で安定的に調達する。
セブン&アイは、傘下のセブンファーム新潟と地元の農家が提携し、農業生産法人設立時の特例を利用した「特例農業法人」を設立する。1ヘクタールの農地で、ダイコンやナスなどの野菜を栽培する計画だ。収穫した野菜は、新潟県内や首都圏のイトーヨーカドーで販売する。
同社は、2008年8月に「セブンファーム富里」を設立して農業に参入。これまでに全国10カ所で野菜の生産を行っている。今回の特例農業法人が軌道に乗れば、一層の事業拡大も視野に入る。
ローソンは新潟市の農業特区で、今年3月に特例農業法人「ローソンファーム新潟」を設立。5ヘクタールの水田でコシヒカリなどを28トン生産して、首都圏のコンビニで販売する弁当やおにぎりに使う。