今回の問題が特定の個人による犯罪でないとすれば、組織ぐるみの不正、あるいは組織に根ざしたあしき風土の問題ということになりかねない。そうなれば、オリンパス事件以上に根の深い問題ということになる。
オリンパス事件では上場廃止するかどうかが最大の焦点になった。利益を水増しして投資家を欺くことは資本市場で最大の犯罪行為だからだ。ところが今回は関係者が厳しい処分をすることに腰が引けているように感じる。上場廃止問題を検討する取引所も、決算書の正しさを担保してきたはずの監査法人も、それを監督する日本公認会計士協会も、当局である金融庁も、「ケアレスミスだった」で済ませたいのか。もちろん、犯罪行為ということになれば、そうした関係者も監督責任などが問われかねないからだろう。今回の問題が「不適切」という言葉で語られる裏には、そんな責任逃れのムードが横溢(おういつ)している。
【プロフィル】磯山友幸
いそやま・ともゆき 早大政経卒。日本経済新聞社で24年間記者を務めて、2011年に独立。52歳。