ドミノ・ピザジャパンを設立したアーネスト比嘉氏(右)と【拡大】
■ロイヤルホストにピザ供給
社名をジェーアンドシー・カンパニーとしていた頃の1970年代、業務用ピザの販売に取り組んでいる中で、大きな転機がめぐってきました。
◆業務用販売で転機
チャンスをくださったのはファミリーレストラン「ロイヤルホスト」を展開するロイヤル(現在ロイヤルホールディングス)の創業者、江頭匡一(きょういち)さんです。江頭さんがロイヤルホスト第1号店を出店するという情報が耳に入り、江頭さんと面識のあった父に紹介してもらい、福岡に飛んでいきました。
ピザを抱えてお訪ねしたところ、ロイヤルホストのテストキッチンで焼いてもらい、試食してもらいました。ゴーサインをいただけるか緊張しましたが、「このピザ、いいじゃないですか」と評価していただきました。江頭さんは豪放磊落(らいらく)なイメージがあるものの、繊細な方でいろいろな情報をキャッチしていましたので、ピザの将来性を買ってくれたのだと思います。
ロイヤルホスト第1号店のメニューの中にピザが並ぶと話題になりました。初期はメニューが限られていましたから、ピザってよくわからないけど頼んでみようか、という具合に知名度が上がりました。他のファミリーレストランもピザをメニューに加えることになりました。ピザ業界の追い風になり良かったと思います。
さらに、ピザの宅配チェーン「ドミノピザ」への食材供給を始めました。ドミノ・ピザジャパンは、一番末の弟、アーネスト比嘉がアメリカドミノ・ピザとライセンス契約を結び、85年に日本で立ち上げました。私どもはドウボール(ピザの形にする前のボール状のピザ生地)やトッピングなどの食材を、供給することになりました。宅配ピザという新しいライフスタイルはメディアからの注目度も高く、東京・恵比寿にオープンした1号店が大ヒット。当社は生産ラインを増設し、ステップアップすることができました。