テレビ事業を捨てられない事情
ただ、国内の他社を見渡せば夏のテレビ商戦に向けてソニー、パナソニック、東芝はCMを放映しておらず、その予定もない。すでにライバル各社はテレビ事業自体の縮小に相次ぎ動いている。
シャープだけが赤字体質から脱却できないテレビ事業に注力を続け、画質競争にこだわっているようにみえる。相変わらず、シャープの担当者は「4Kアクオスに注力することで利益が出る」と力を込めているからだ。
背景には、液晶パネル事業が売上高の3分の1を占めているうえ、次の成長の柱となる事業が育っていないというシャープ特有の事情がある。巨大な生産能力の液晶パネル工場を稼働させる続けるためには、いくら赤字体質とはいえ、在庫を解消する納入先としてテレビ事業の大幅縮小や撤退に踏み切ることはできないのだ。
4Kネクストは7月10日に発売される。量販店には4Kネクストを含めた4Kテレビが続々と並ぶ。すでにネクストは百貨店で大口顧客を担当する「外商」を通じて、数十台の予約があったといい、シャープの担当者は「予想以上の駆け出し」と手応えを口にする。