訪日外国人旅行者の顧客満足度向上を目指す田中元樹さん【拡大】
「本気」とは、一人の人間として「命懸け」ということに他ならない。ゆえに、処世のための仕事は「本気」と捉えていない。現代社会においてはアスリート、例えば少年スポーツ、高校野球、世界を舞台とするさまざまな競技の日本代表メンバーなどには熱い、揺ぎない「本気」を感じるが、国政はもとより、官民ともに身勝手な利潤追求、マネーゲームが蔓延(まんえん)する現代社会に、「本気」を見いだすことは難しい。翻り、自身の仕事における「本気」は、今まさにその佳境にあると語る。
本年4月からフォーリッジと協業し、訪日外国人旅行者への言語支援事業に取り組み始めた。言語的ハードルの軽減もさることながら、在日留学生への新しい仕事の場の創出や、学校以外での実務的スキルの向上などの展開をもくろむ。新たなビジネスモデルを創出し、事業基盤を構築、未完成ながら中期的ビジョンを策定し、走り始めた。
これまで想像し得ない多くの方からの支援、助言を受け、自身一生の事業として向き合うこのプロジェクトはまさに「本気」の仕事だと確信する。田中氏の視野は2020年東京五輪の先を見据えていると筆者は感じる。
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【プロフィル】柴田明彦
しばた・あきひこ 1959年、東京生まれ。亥年、乙女座、AB型。慶大法卒。83年電通入社、新聞局業務推進部長などを歴任し、2006年退社。一般社団法人「NS人財創造機構」を設立し、大学講義や講演会、研修を行う。14年に設立した「多様性工房」で、広報・宣伝や販売コンサルティングも手がける。著書は「ビジネスで活かす電通鬼十則」(朝日新書)ほか。