鹿島が開発したオイルダンパー「HiDAX-R」【拡大】
鹿島は27日、自動車のブレーキ制御などで用いられているエネルギー回生システムの原理を建物の制震に初めて応用し、オイルダンパー「HiDAX(ハイダックス)-R」を開発したと発表した。地震による建物の振動エネルギーを一時的に補助タンクに蓄え、ダンパーの制震効率を高めるアシスト力として利用。従来のオイルダンパーに比べて、地震の揺れが収まるまでの時間を大幅に短縮した。
2011年の東日本大震災では、震源から遠く離れた東京都内の超高層ビルがゆっくりと長時間揺れ続ける「長周期地震動」が出現、対応策が課題となっており、鹿島の新技術に注目が集まりそうだ。
鹿島の新技術は、振動によるエネルギーをいったん、ダンパー内のシリンダーから補助タンクに移し、そのエネルギーを再びシリンダーに移して再利用し、制震効率を高める。一般のオイルダンパーに比べ、約4倍の振動を吸収できる。