石油元売り2位の出光興産は30日、同5位の昭和シェル石油を買収することで合意した、と発表した。両社は今後、経営統合に向けた協議を本格化させる。出光は英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルから、2016年上期をめどに昭和シェルの株式33.3%を取得し、筆頭株主となる。取得金額は約1691億円。国内の石油製品の需要が低迷する中、規模の拡大で競争力を高める。
両社の連結売上高の合計は単純合算で約7兆6000億円と、業界首位のJXホールディングス(約10兆9000億円)に迫る。国内の石油元売りの合従連衡が加速しそうだ。
同日、都内で会見した出光の月岡隆社長は「経営統合で世界をリードする企業へ進化する一歩だ」と述べた。また、昭和シェルの亀岡剛社長は「対等な立場での経営統合を目指す」と強調した。