ただ、グループ再編だけが変調の理由とは言い切れない。かつてソフトバンクは、米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の国内販売で先行し、割安な料金プランなどで利用者を伸ばした。現在は他社もアイフォーンを扱い、料金プランも横並びだ。
4~6月期連結決算は売上高が9.8%増の2兆1391億円、営業利益が7.6%増の3435億円と増収増益だった。電子商取引(EC)大手など急成長するインド企業への投資に伴う資産の評価益や、約3割を出資する中国のEC最大手、アリババグループの稼ぎが利益を押し上げた。業績全体に占める国内通信の比率は低下しており、てこ入れが急務となっている。
また、東京都内で会見したソフトバンクグループの孫正義社長は、不振が続く傘下の米携帯電話大手スプリントについて「改善の設計図が見えたのであとは実行に移すだけだ」と述べ、業績回復に自信を示した。