一方、欧米の流通業は、基本的に商品開発から物流・販売に至るまで、個社が一つの生態系を形成している。単独で海外進出しても、母国での生態系がそのまま移転されるため、同じオペレーションを維持することが可能であり、それが海外における成功につながっていると推測される。
個社として生態系を形成していない日本の流通各社は、国内で自律連動している生態系の帯同がないと海外で成功することが難しい。中国における日本の流通業のプレゼンスの低さは、そこに原因があるとみられる。
日本では外食産業、ヘルスケア産業なども、個社で生態系が完結せず、周りのバリューチェーンを含めて生態系を形成している。日本の製造業が部品会社など生態系全体でアジア進出をしたのに対し、消費関連やサービス業のアジア進出はこの視点が欠落している例が多い。流通業に限らず、生態系をいかに維持しながら海外展開するかが今後の成功の鍵になるだろう。