電子部品商社の黒田電気は21日、大阪市内で臨時株主総会を開き、かつて「村上ファンド」を率いた村上世彰(よしあき)氏ら4人を社外取締役に選任するよう求めた株主提案を反対多数で否決した。同社の持丸守業務執行役員は終了後に会見し「(株式の4割近くを持つ)外国人投資家にも事業の内容や将来への戦略を理解いただいた」と強調した。
村上氏らは、取締役に選任されれば黒田電気の利益を全て株主に還元すると主張していた。しかし現経営陣は拒否し、総会でも議決権を行使した株主の約6割が反対。旧村上ファンドでは株を取得した上で経営者に過大とも言える要求を突きつけ、高値で売却した銘柄もあり、株主の疑念は拭えなかった。
株主提案をしたのは村上氏の長女、絢(あや)氏が最高経営責任者(CEO)を務める投資会社C&Iホールディングス(東京)など。村上世彰氏らと合わせて黒田電気の発行済み株式の16%超を保有しており、旧村上ファンド系のグループが事実上の筆頭株主となっている。