関係者は「三井グループのトップ企業である東芝が三菱グループから人材を招くのは異例」と指摘する。それだけ危機感が強いということだろう。ただ、肝心の取締役会議長は未定だ。室町正志社長兼会長の退任を求める声もあったが、「経営を引き継ぐ人材がいなくなる」との理由から留任が決まったという。
社外取締役に財界の重鎮を起用するなど、経営刷新にかける意気込みは理解できる。しかし、社外取締役が単なる「お飾り」と化しては、企業統治の強化にはつながらない。実際、東芝は産業界の中でも業務執行と監督を分離する「委員会設置会社」にいち早く移行し、社外取締役が過半数を占める指名、監査、報酬の3委員会を設けていたが、今回の不祥事を防ぐことはできなかった。実効的な経営改革は待ったなしだ。
東京証券取引所によると、東証1部上場企業で社外取締役を選任した企業は94%に達し、前年に比べて一気に20ポイントも高まった。改正会社法の施行に続き、6月には上場企業に社外取締役の選任を求める企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)が導入されたからだ。社外取締役は今年にかけて1000人も増えた計算になる。取引関係などがなく、経営から独立した独立取締役を選任した上場企業も48%と前年に比べて倍増を記録した。