産業界には以前から「社外取締役にふさわしい人材がいない」との声があった。東証1部上場企業の社外取締役をみると、他社出身の経営者(役員を含む)は6割強にとどまり、弁護士や学者、会計士、官僚OBが3割強を占める。政府が女性の活用を求めていることもあり、「女性の学者や弁護士はひっぱりだこ」(関係者)だという。報酬額も上昇傾向にある。
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経済産業省が先月公表した会社法の解釈指針では、社外取締役の役割を経営陣や会社業務の監督と明記し、会社から独立して内部通報窓口となるほか、不祥事が起きた場合の内部調査を指示するなどの具体的な役割をあげた。そして何より重要なのは、株主に代わって会社経営を監視し、将来の成長に向けた投資を促す役割などが求められているといえる。
そのためには取締役会の「空気」を読まず、社長に直言する姿勢も問われる。社内取締役では、自分を役員に引き立ててくれた社長らに反論することは難しいからだ。だが、それでは日本企業の成長は見込めない。企業価値を高めるためには、経営者OBが社外取締役として活用される仕組みづくりも欠かせない。