世界の株式市場が大荒れの展開となる中、為替相場も不安定化している。円高の進行は自動車や精密、電機などの輸出関連企業にとって利益の押し下げ要因となる。
1ドル=70~80円台の超円高に対応してきた日本企業には耐性があるが、安倍晋三政権発足後は円安を背景に業績を伸ばしてきただけに、為替相場の変調は不安材料。円高がさらに進行して定着すれば、これまでの追い風がやみ、逆風となる懸念がある。
輸出企業にとって、円安の利益押し上げ効果は大きい。トヨタ自動車は2015年4~6月期連結決算で、円安ドル高による営業利益の増益効果が1750億円あった。一転して円高基調になったことを受けて、同社は「為替の動向は読めないので、状況を注視していきたい」としている。
トヨタは想定為替レートを1ドル=115円と慎重にみているため、実際に利益が押し下げられるには至っていない。一方でキヤノンは7月下旬、15年7~12月期の想定レートを従来の1ドル=120円から125円へと、円安方向に修正したばかり。これらのレート見直しにより、営業利益で186億円の押し上げ効果を見込んでいる。1ドル=120円を超えて円高が進めば、逆に減益要因になりかねない。