それでも海外の収益に期待がもてるメガバンクはいいが、国内のウエートの高い地銀、第二地銀の収益構造には一抹の不安もよぎる。この点について、金融庁が7月3日に公表した「金融モニタリングレポート」では、地域銀行(地銀、第二地銀)について「貸出金利回りの低下により、貸し出しに関する収益性は全体として低下が継続している。一方、有価証券運用が経営に及ぼす影響は増加傾向にある」と指摘。その上で「金利低下に応じ、比較的利回りの高い貸し出しが順次償還され、低金利の新規貸し出しに置き換わる傾向にある。この傾向が続くと仮定し将来(18年3月期)の経常利益を機械的に試算すると、2割程度の地域銀行が現状(14年3月期)の半分以下の水準に落ち込む」と分析している。
また、日本銀行が8月19日に公表した「金融システムレポート(別冊)」では「地域金融機関において、基礎的な収益力が低下するもとで、損失吸収力をみる際の指標の一つである損失分岐点信用コスト率(信用コストがコア業務純益と一致する信用コスト率)が低下傾向にある。これは、仮に経済環境の変化などによって信用コストが増加した場合、基礎的な収益で信用コストをカバーし得る余地が縮小していることを意味している」「この点、例えば、リーマン・ショック前数年間の平均的な信用コスト(0.4%)が発生したと仮定してみると、これはコア業務純益でカバーできない先が、地域銀行、信金ともに3割程度に達するとの結果が得られる」と指摘している。
高収益の陰で見えなくなっているが、銀行の収益構造は脆弱(ぜいじゃく)化しつつあるように思えてならない。